美容皮膚科でニキビ治療といえば、「ピーリング」や「レーザー」、「内服薬」などをイメージされる方が多いかもしれませんが、
実は保険診療で処方できる外用薬だけでも、昔と比べかなり効果的な治療が可能なんです。
ただ・・・残念ながら良い薬剤も正しい使い方をしなければ
ちゃんとした薬効を示すことができません。
これは残念ながら皆様一般の方だけでなく、薬剤を出す側の医師の理解の低さも原因です。
皮膚科は参入障壁が低いからか、どうしても他科が「なんちゃって皮膚科」を営業することも多く
皮膚科専門医であることを調べるしか、患者さんが「皮膚科」に受診できているかどうかを
調べる術はありません。
つい先日「アダパレンを近医で出されていて、言われた通り塗っているが治らない!!」
という症例がまた来院されました。
今日のコラムを読んでいただくと、「なぜ治らないか」がわかるかと思います。
それでは、保険診療で扱える「ニキビ用の外用薬」について、
種類ごとの特徴や正しい使い方、注意点などを医師の視点から解説していきます。
■ まず押さえておきたい、ニキビの種類と治療の方向性
ニキビには「白・黒ニキビ(面皰)」「赤ニキビ(炎症性ざ瘡)」「膿ニキビ(膿疱性ざ瘡)」と段階があり、それぞれの進行度に応じて治療法も変わります。
外用薬はこの中でも「初期の面皰」や「軽度〜中等度の炎症性ニキビ」に特に有効です。
■ 主な保険適用のニキビ外用薬の薬効成分とその使い方
● アダパレン(ディフェリン、エピデュオ)
・効果:毛穴詰まりの改善、角質のターンオーバー促進
・特徴:面皰の段階に特に有効
・注意点:塗り始めは赤みや乾燥などの刺激症状が出やすいが、継続することで軽減
ディフェリンは“予防”の意味合いが強く、今あるニキビに直接効くというより「新しいニキビができにくくする」薬。毎晩、洗顔後にニキビができやすい部位全体に塗るのが基本です。
● 過酸化ベンゾイル/BPO(ベピオ、デュアック、エピデュオ)
・効果:殺菌作用と角質剥離作用
・特徴:白ニキビ〜赤ニキビに広く対応
・注意点:刺激が強く、肌が慣れるまでは赤み・かさつきが出ることも
ベピオは皮脂を抑えつつ、ニキビ菌を殺菌してくれる薬。角質を柔らかくする作用もあるため、ディフェリンと併用することで相乗効果が期待できます。
●各種抗生剤(ダラシン、アクアチム、ゼビアックス)
・効果:殺菌作用
・特徴:赤~膿ニキビに対応
・注意点:ニキビ発生予防効果はない
■ 使用時の注意点とスキンケアのコツ
・アダパレン、BPOといった「ニキビ発生を抑える」タイプの薬剤は、「ピンポイント」ではなく「ニキビができやすい範囲」に塗る
・外用薬による乾燥を防ぐために、保湿はしっかりと(乳液より化粧水を重点的に
)
・日焼け止めの使用も重要(特にレチノイド系は紫外線に敏感)
・副作用が気になる場合は、無理に我慢せず医師に相談を
・抗生剤は赤いところ、膿を持ったとこにしか効かないのでピンポイントで。
・重ね塗りするときは最初に予防薬を全体的に、次に抗生剤をピンポイントで。
特に、外用薬の使い始めに起こる“肌の赤みや皮むけ”は多くの方が経験しますが、
これは薬が効いているサインでもあります。
1~2週間で落ち着くことが多いので、焦らず使い続けることが大切です。
■ 保険診療と自由診療の組み合わせで、より理想的な肌へ
保険診療の外用薬は、ニキビ治療の「基盤」となる存在。きちんと使えば、皮膚の状態は大きく改善できます。
ただし、ニキビ跡や色素沈着、毛穴の開きなどには限界もあるため、必要に応じてピーリングやレーザー、
内服薬などの自由診療を併用することで、より理想的な肌づくりが可能になります。
とくにイソトレチノインのようなめちゃくちゃよく効く強力な内服薬もあるため
下手に保険で粘るよりは早くて、結局安上がりに済むこともあります。
そうですね・・・保険診療を3か月頑張って結果がついてこないなら、自費を取り入れた方がよいです。
■ 最後に:保険治療でも、正しい知識と継続がカギ
ニキビは一朝一夕で治るものではありません。ですが、正しい薬を、正しい方法で、コツコツ使うことで、肌は確実に変わっていきます。
当院でも、まずは保険診療から始めて、肌の土台を整えたうえで自由診療に移行される方が多くいらっしゃいます。
名古屋・栄や安城エリアでニキビ治療をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。





