少し間が空いてしまいましたが、お盆に美容皮膚科学会に参加してきました。

最近のブームは「刺激がない治療」?
……といっても、「ブーム」と感じているのは、私だけかもしれません。
「ダウンタイムがない」「痛くない」「針を刺さない」「強い熱を加えない」。
そういった治療が、増えてきている印象を受けました。
特に韓国の先生方の発表には、このようなトレンドを感じることが多かったです。
これまでの美容医療は、「再生と破壊」を繰り返しながら、人間の創傷治癒力を利用して美しくしていくというものが主流でした。私もずっとそれを信じてきました。
でも、治療を重ねていくなかで、ふと思うこともあるんです。
「私が針を刺すから?」「強い熱を加えるから?」
もしかして、そうやって刺激を加えることで、逆にくすみや慢性的な炎症を生んでいるのでは…?と。
気になる2つの機器:コレジ2.0とLDM
今回見に行ったのは、コレジ2.0(Collegi 2.0)とLDM。
LDMは発表こそありませんでしたが、カスタマイズ治療研究会での講義や機器展示などを見て、実際に業者さんとも話すことができました。
コレジ2.0:電磁場(EMF)によって細胞へアプローチする新世代機器
LDM:超音波を用いて、肌に優しく働きかける振動療法
どちらも“細胞を揺らして活性化する”というようなアプローチで、傷つけない、熱も加えない、けれど内側から変えていくという考え方です。
「そんなので本当に変わるの?」と疑ってしまいそうですが、基礎研究の段階では一定のエビデンスがあり、肌の再構築(リモデリング)に効果があるといった報告も見られます。
とはいえ限界もあるよ、当然
痛くない治療、針を使わない治療が選ばれるのは、もちろん歓迎すべきこと。
でも、それだけで顔全体を美しく整えるのは、やっぱり難しい。
しみはある程度のエネルギーを加えて破壊することが必要だし、
たるみもエネルギーデバイスだけではどうにもならない。
これは絶対的な事実で、刺激・侵襲ゼロで終われることは今のところなさそう。
だからあくまでも一通り終わった人たちとか、
心の底から痛いものを避けて治療をしたい人向きだと思います。
やっぱり大切なのは、“全層アプローチ“
そしてもう1つ感じたのは全層アプローチの重要性。
いつでもその視点は大切にしているのですが、、、
全層アプローチの手段がどんどん増えています。
自然な変化のためには、筋・脂肪・皮膚・骨といった全ての層に目を向けて、「どこが変化していて、どこにどうアプローチするのが自然か」を設計する必要があります。
私の専門領域でもあるヒアルロン酸注入で言えば、骨萎縮に対するアプローチは確かに有効です。
一方で脂肪層の萎縮に対しては、これまでヒアルロン酸で治療してきましたが、
今は架橋ヒアルロン酸が混合されているスキンブースターもあります。
ボリュームアップ以外の副次作用を持つ製剤も増えてきて、こっちの方が良いのでは?と目移りする場面も正直あります。
今の所は1cc入れたら確実に1cc増えるという確実性からヒアルロン酸を使っていますが
5年後にはまた違うアプローチになるかもしれません。
個人的に心を掴まれたのは、EMFACE
今回特に私が印象的だったのがEMFACE(エムフェイス)という機器です。
これは、RF(高周波)×HIFES(高強度筋電気刺激)の組み合わせで、顔の筋肉そのものにアプローチして筋萎縮を改善するという、まったく新しい方向性の治療です。
ボトックスのように「筋肉の動きを止める」のではなく、「筋肉を育て直す」。
そりゃそうですよね、という納得感。
我々は普段、肥大拘縮した筋肉に対してボトックスを注入していますが、
本来筋肉って圧倒的に痩せていく方が優位なはず。
若い時の筋肉に戻してあげることは当然のアプローチで
これは本質的な治療だと、とても興味が湧きました!
日本では2−3施設でしか治療が受けられないけど、絶対受けたい〜〜〜
美容医療のトレンドは、変わり続ける
ある技術が評価されると、似たような製品や治療が一気に広まり、その中から本当に意味のあるものが淘汰されていく。
そしてまた、足りないものを補うような新しいアプローチが生まれてくる。
だから、ずっと同じやり方だけでいるわけにはいきません。
“刺激しない”治療法が本当に定着するかは、まだわかりません。
けれど、少なくとも患者さんの「怖くない」「痛くない」というニーズが増えているのは間違いありません。
その時代の空気にアンテナを張りつつ、
「今ある治療をどう組み合わせるか」
これが、今後ますます重要になってくると思います。
最後にお知らせですが
当院で刺激しない治療として、ターゲットクールを導入します!
9月にはスタートしますので、今しばらくお待ちください
それではまた!
松元
気になるもの①

気になるもの②

コレジは撮り忘れた!