こんにちは、横山です。
美容医療の現場で長年診療を続けていると、時折「これはちょっと危ないな」と感じるケースに出会います。
最近、業界で話題になっているのが「直美(ちょくび)」と呼ばれる存在。
これは、初期臨床研修(いわゆる研修医)を終えたばかりのドクターが、そのまま美容外科の世界に飛び込むケースを指しています。
(保険診療する医師やそもそもの入学などの規約に関して、問題になっていますが、今日は割愛)
美容医療の質としてはたしかに経験不足の不安はありますが、
彼らの多くは上級医のもとでしっかり症例をこなし、最低限の“研修”を経てから施術にあたっています。
もちろん万能ではありませんが、育成環境があれば、今後に期待できる存在とも言えます。
(ただトラブルへの対処はなかなか身につかないですが。)
ですが、もっと深刻なのは別のケースなんです。
■ 美容とは無縁だった他科クリニックが突然美容医療を始める怖さ
内科や産婦人科など、これまで保険診療のみを行っていたクリニックが、ある日突然
「美容医療はじめました」
と看板を掲げる。最近、そんなケースが増えています。
保険診療だけでは儲けが少ないのか、はたまた単純に小遣い稼ぎをしたいのか、税金対策なのか・・・
さて、これがなぜ危ないのか。
・医療機器の業者に勧められるがまま、治療を導入してしまう(適応や診断なんかあったもんじゃない)
・ちょっとしたセミナーを受けただけで、美容の現場に立ってしまう
・すでに保険診療で一定の患者さんがいるため、「信頼」が先行しやすい(かかりつけ医の”おすすめ”、断りづらくない?)
こういった背景から、安全性や効果よりも「儲かるから」「とりあえず導入してみよう」という考えが優先され、
結果としてトラブルにつながるケースが後を絶ちません。
当院にもなぜかよく広告で
「自費診療で売上がこんなにあがりました!!!!」
という業者からのDMがよくはいります。
■ 「研修の有無」は患者さんから見えない
患者さんの立場からすると、そのクリニックが本当に美容医療に詳しいか、
どんな研修を経てきたかは非常にわかりにくいのが現状です。
しかも、日本の医師免許制度では「どの科の医師でも、どんな治療でも始められる」ことになっており(麻酔科以外)、
開業の制限もほぼありません。
つまり、極端な話をすれば、今日からでも誰でも未経験の医者が美容医療を始められるわけです。
これが、美容医療のリスクを高めている一因だと思います。
■ 大切なのは「経験」と「姿勢」
私自身、美容医療に携わって20年近くになりますが、今でも新しい技術や知識の習得に努め、毎日のように症例と向き合っています。
美容医療は、見た目の変化だけでなく、患者さんの人生そのものに関わる医療です。
また自由診療であるからこそ、不確実要素の多いものに多額のコストがかかってしまいます。
だからこそ、医師には深い経験と誠実な姿勢が求められるのです。
皆さんが美容医療を受けるときは、
「この先生はどれくらい美容医療をやってきた人なのか」
「ちゃんと症例経験があるのか」
「機械や施術の仕組みを本当に理解しているのか」
「トラブル時に医療的な面で対応が可能なのかどうか」
といった視点で、ぜひ慎重にクリニックを選んでいただきたいと思います。
■ 美容医療の被害者を出さないために
美容医療は、本来とても素晴らしい可能性を秘めた医療分野です。
しかし、不適切な導入や運営がされることで、被害者が生まれ、業界全体の信頼も失われかねません。
xで同様の事を呟いたとき
「自分の儲けが減るからそんなこというんだろう!」
と、よくわからない批判も受けました笑
言っておくけどね、そんなレベルと一緒にしないでくれる?
医師として、そして一人の美容医療のプロとして、
皆さんに美容医療界のグレーな部分を少しでもお伝えしたいと思い、今回のブログを書かせていただきました。
今後も、正しい知識と安全な美容医療を広めるために発信していきますので、ぜひ引き続きブログをご覧いただけたら嬉しいです。





